
ある日、勃起したときに気づく。「なんだか、前より曲がっていないか」。触ってみると、陰茎の中にコリッとした硬いところがある。勃起すると少し痛む。
場所が場所だけに、誰にも相談できず、ネットで調べては不安になる。そんな方に知っておいてほしいのが、「ペロニー病(ペイロニー病)」という病気です。命にかかわる病気ではありませんが、性生活や気持ちに大きな影響を与えることがあり、中高年の男性に見られます。
この記事では、ペロニー病とはどんな病気か、症状と経過、考えられる原因、治療、受診の目安を順番にまとめます。
先に結論
- ペロニー病は、陰茎の中の膜に硬いしこりができ、勃起したときに曲がる、痛む、くびれる、短くなるなどの変化が起きる病気
- がんではなく、うつる病気でもない。痛みは時間とともに落ち着くことが多いが、曲がりは残ることが多い
- 曲がりが出てきた、痛む、しこりがあるときは泌尿器科へ。曲がりが強く性生活に支障がある場合は、手術などの治療が検討される
ペロニー病とは、どんな病気?
陰茎の中には、血液をためて勃起を起こす海綿体があり、それを「白膜」という丈夫な膜が包んでいます。勃起すると、この膜がぴんと伸びることで陰茎はまっすぐ硬くなります。
ペロニー病では、この白膜の一部に、傷あとのような硬いしこり(瘢痕)ができます。しこりのある部分は伸びにくいため、勃起したときにほかの部分だけが伸び、そちらの方向へ陰茎が曲がってしまうのです。風船の一か所にテープを貼ってふくらませると、そこだけふくらまずに曲がる、という様子に似ています。
なお、生まれつき陰茎が多少曲がっている人は珍しくなく、痛みやしこりがなく、性生活に困っていなければ心配はいりません。ペロニー病で問題になるのは、大人になってから曲がりが出てきたり、強くなったりする場合です。
主な症状
- 勃起したときに陰茎が曲がる(上向き、横向きなど)
- 陰茎の中に、硬いしこりを触れる
- 勃起したときに痛む
- 勃起したときに一部がくびれる、へこむ
- 以前より短くなったように感じる
- 勃起の硬さが落ちる、挿入しにくい
曲がりの程度は人によってさまざまで、気にならない程度の人もいれば、挿入が難しくなるほど強く曲がる人もいます。勃起の力が落ちるEDを一緒に抱えている人も少なくありません。
2つの時期:変化している時期と、落ち着いた時期
ペロニー病には、大きく分けて2つの時期があると考えられています。
- 変化している時期(活動期):しこりができ始め、勃起したときの痛みが出たり、曲がりが強くなったりする時期
- 落ち着いた時期(安定期):痛みが治まり、曲がりがそれ以上変わらなくなった時期
一般に、発症から1年前後で落ち着いてくることが多いとされています。痛みは時間とともに軽くなることが多い一方、曲がりはそのまま残ることが多く、まれに自然に軽くなる人もいます。どちらの時期にいるかによって、治療の考え方も変わります。
なぜ起きる? 考えられている原因
はっきりした原因は、まだ分かっていません。考えられているのは、次のようなものです。
- 小さな傷の積み重ね:性行為やけがなどで陰茎が曲げられたときにできた小さな傷が、うまく治らずに硬いしこりになる
- 体質:手のひらの筋が縮んで指が伸びにくくなる病気(デュピュイトラン拘縮)がある人に、ペロニー病が見られることがあるとされています
- 年齢や持病:中高年に多く、糖尿病、喫煙なども関係が指摘されています
- 手術のあと:前立腺の手術などのあとに起きることもあります
本人に思い当たるきっかけがないことも多く、「自分の何かが悪かったのか」と責める必要はありません。
医療機関での診断
泌尿器科では、まず問診で、いつ頃から、どのように曲がるか、痛みの有無、勃起の状態、持病や薬などを確認します。そのうえで、陰茎を触ってしこりの場所や大きさを確かめます。
診察室では勃起した状態を見ることができないため、自宅で勃起したときの陰茎を、曲がりの角度が分かるように上や横から撮った写真を持っていくよう勧められることがあります。そのほか、超音波(エコー)検査でしこりや血流を調べたり、薬を使って勃起させた状態で評価したりすることもあります。
治療の考え方
様子を見る
曲がりが軽く、痛みもなく、性生活に困っていなければ、すぐに治療をせず、経過を見ることも多い病気です。
変化している時期の治療
痛みが強い場合は、痛みをやわらげる治療が行われます。飲み薬が使われることもありますが、曲がりをはっきり改善すると確かめられたものは限られています。しこりに注射する治療もありますが、使える薬は国や医療機関によって違います。陰茎を少しずつ伸ばす器具を使う方法もあり、医師の指導のもとで取り入れられることがあります。
手術
曲がりが落ち着いた時期になっても、曲がりが強く挿入が難しいなど、性生活に支障がある場合は、手術が検討されます。主な方法は次のとおりです。
- 曲がっている側の反対側を縫い縮めて、まっすぐにする方法
- しこりの部分を切開し、別の組織で補ってまっすぐにする方法
- EDが重い場合に、陰茎の中に勃起を助ける器具を入れる方法
どの方法にも、陰茎が短くなる、感覚が変わる、勃起に影響が出るなどの可能性があります。手術を考えるときは、得られることと失うかもしれないことを、担当医からよく聞いて決めてください。
気持ちの負担も、治療の対象
ペロニー病は、命にかかわる病気ではありません。それでも、男性にとっては「見た目」と「性生活」の両方にかかわる悩みで、自信をなくしたり、気分が落ち込んだり、パートナーとの関係がぎくしゃくしたりすることがあります。
パートナーには、「病気で曲がりが出ている」ことを伝えておくだけでも、お互いの誤解が減ります。挿入にこだわらない触れ合い方を探すのも一つの方法です。パートナーに痛みがある場合は、婦人科・産婦人科で相談できることも伝えてください。気分の落ち込みが続くときは、心療内科などに相談するのも大切なことです。
よくある心配
しこりは、がんではないの?
ペロニー病のしこりは傷あとのような組織で、がんではありません。ただ、自分で触っただけでは区別できないこともあります。しこりが急に大きくなる、皮膚の色が変わる、ただれるといった場合は、早めに受診して確かめてもらいましょう。
パートナーにうつる?
うつる病気ではありません。性感染症とも関係ありません。パートナーとの触れ合いを避ける理由にはならないので、安心してください。
放っておくとどうなる?
曲がりが落ち着いてそれ以上進まない人もいれば、しばらく強くなる人もいます。早めに受診しておくと、そのときの状態を記録でき、あとで変化を比べやすくなります。痛みが強い時期に相談できる先があるだけでも、気持ちはずいぶん楽になります。
自分でできること、やってはいけないこと
- 自分で無理に曲げ戻さない:勃起した陰茎を力で矯正しようとすると、傷が増えるおそれがあります
- ネットの器具や薬を自己判断で使わない:使う場合は医師に相談してから
- 性行為では無理な角度や急な動きを避ける:曲がりがあると、思わぬ方向に力がかかりやすくなります
- たばこをやめる、血糖値を管理する:血管と勃起の健康の基本です
- 変化を記録する:曲がりの向きや程度、痛みの変化をメモしておくと、診察で役に立ちます
年齢とともに起きる男性器のほかの変化については、年齢で変わる男性器の記事にまとめています。
受診の目安と、何科に行くか
相談先は泌尿器科です。次のような場合は、受診を考えてください。
- 大人になってから、勃起したときの曲がりが出てきた、強くなった
- 勃起したときに痛む
- 陰茎の中に硬いしこりがある
- くびれや短くなった感じがある
- 曲がりのせいで挿入が難しい、パートナーが痛がる
- 勃起の硬さも落ちてきた
次の場合は、すぐに医療機関を受診してください。
- 性行為中などに「ボキッ」と音がして、急に勃起が消え、腫れて変色した(陰茎折症のおそれ)
- 痛みをともなう勃起が4時間以上続く
ED治療薬を考える場合は、狭心症などで硝酸薬(ニトログリセリンなど)を使っている人は、血圧が急に下がり命にかかわるおそれがあるため使えません。心臓の病気などがある人も、必ず医師に相談してください。詳しくはED治療薬を使う前に確認したいことにまとめています。
体の変化が気になったときに
ペロニー病では、勃起の力が落ちるEDを一緒に抱えている人も少なくありません。勃起の変化は、年齢だけでなく、血管や持病、服用中の薬が関係していることもあります。
Bodyagainでは、ED治療や治療薬を検討する前に確認したい15項目を、無料のPDFガイドにまとめています。持病や服用中の薬、医療機関に相談する目安を、ご自身で整理するための一般的な情報です。
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まとめ
ペロニー病は、陰茎の中の膜に硬いしこりができ、勃起したときに曲がる、痛む、くびれる、短くなるといった変化が起きる病気です。がんではなく、うつる病気でもありません。痛みは時間とともに落ち着くことが多い一方、曲がりは残ることが多く、性生活に支障がある場合は手術などが検討されます。曲がりやしこり、痛みに気づいたら、一人で悩まず泌尿器科に相談してください。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、診断、治療効果の保証、特定製品の推奨を行うものではありません。持病や服用中の薬がある方、体の変化が続く方は、医師または薬剤師へ相談してください。