精液を顔に塗ると美肌になる? 男なら一度は聞いたあの噂を、真面目に考えてみた

男子校の休み時間か、会社の飲み会の三次会か。どこかで一度は聞いたことがあるはずです。

「精液ってタンパク質と亜鉛のかたまりだから、顔に塗ると肌がツヤツヤになるらしいよ」

言った本人も半信半疑、聞いた側も半笑い。それでも検索する人が後を絶たないこの噂。今日は大人の男として、真面目に向き合ってみます。

先に結論を言ってしまうと、美容液としての出番はありません。理由を順番に見ていきましょう。

成分表だけ見れば、確かに「それっぽい」

精液の中身をざっくり並べると、こんな感じです。

  • ほとんどが水分
  • 果糖(精子たちのエネルギー補給用)
  • タンパク質
  • 亜鉛、カルシウム、マグネシウムなどのミネラル
  • ビタミンCなど

こうして書くと、ドラッグストアの美容液コーナーに並んでいそうな顔ぶれです。噂が生まれた気持ちも分からなくはありません。

ただし、問題は量です。1回に出るのは小さじ1杯にも満たない程度で、その大半が水。ミネラルやビタミンは「入っている」と言える程度のごく少量です。美容液と比べるのは、さすがに精子たちが気の毒です。

そもそも、精液は肌のために作られていない

精液の仕事は、精子を守って、目的地まで送り届けること。いわば精子専用の輸送船です。乗組員のための燃料(果糖)や環境づくりの成分は積んでいても、乗客でもない「あなたの頬」のための荷物は積んでいません。

実際、精液を顔に塗ってシワやシミが減った、という確かな話は見当たりません。噂は噂のまま、居酒屋に置いてくるのが正解です。

笑えないのは、ここから

「効かないなら、まあ害もないでしょ」と思った方。ここだけは真面目に読んでください。

アレルギーが出る人がいる

まれですが、精液のタンパク質にアレルギー反応を起こす人がいます。触れた場所のかゆみ、赤み、腫れのほか、じんましんや息苦しさなど全身に症状が出ることもあります。パートナーにこうした症状が出たら、医療機関に相談してください。息苦しさなどがあれば、迷わず救急へ。

性感染症がうつることがある

精液には、性感染症の原因となる細菌やウイルスが含まれていることがあります。顔に塗れば、目や口、ひげそり後の小さな傷に触れる可能性も。本人に自覚症状がなくても感染していることがあるので、「元気だから大丈夫」は通用しません。

よくある「ついでの疑問」

Q. じゃあ、飲むのは体にいい?

A. こちらも、健康や美容に良いという確かな話はありません。口やのどにうつる性感染症もあるので、リスクは塗る場合と同じように考えてください。

Q. 最近、量が減った気がする。年のせい?

A. 量は体調や前回からの間隔で変わりますし、年齢とともに減る傾向もあります。それだけで病気とは限らないので、量の増減に一喜一憂しなくて大丈夫です。

40代・50代が本当に気にしたいのは「色」

塗るかどうかより、男として覚えておいてほしいのはこちら。精液に血が混じっていないかです。

血が混じっても一時的で心配のないことは多いのですが、40歳を過ぎると、前立腺などを一度調べておいたほうがよい場合があります。次のようなときは、泌尿器科に相談してみてください。

  • 40歳以上で、精液に血が混じった
  • 何度も繰り返す、または1か月以上続く
  • 発熱、排尿時の痛み、尿に血が混じるなど、ほかの症状もある
  • 血液をさらさらにする薬を飲んでいる

恥ずかしい話ほど、先延ばしにしがち。でも泌尿器科の先生にとっては、毎日聞いている「いつもの話」です。

体の変化が気になったときに

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まとめ

精液は精子のための輸送船で、あなたの肌のための美容液ではありませんでした。成分表は立派でも量はわずか、しかもアレルギーや感染のリスクつき。美肌を目指すなら、地味ですが保湿と日焼け止めが一番の近道です。そして40歳を過ぎたら、塗るより先に「色」のチェックを。

本記事は一般的な情報提供を目的としており、診断、治療効果の保証、特定製品の推奨を行うものではありません。症状が続く場合や持病・服用中の薬がある方は、医師または薬剤師へ相談してください。