数字で見る世界の性|人気は「土曜の夜」? 頻度・恋愛タイプ・若者の性離れまで

数字で見る世界の性(イメージ写真)

「世界で一番セクシーな時間は、土曜日の夜10時9分」。こんな調査結果が、大まじめに発表されたことがあります。9分という細かさに、思わず時計を見てしまった方もいるかもしれません。

性の話は、人に聞きにくいぶん、数字があるとつい気になります。よその夫婦はどのくらいなのか。自分たちは普通なのか。ところが、性の数字には「盛られやすい」「調べた人の都合が入りやすい」という、ちょっと困った性質もあります。

この記事では、海外で話題になった性の調査をいくつか眺めながら、数字の楽しみ方と、数字に振り回されないコツを、肩の力を抜いてまとめます。

先に結論

  • 性の調査は、自己申告で、調べた人の目的も入りやすい。雑学として楽しむのがちょうどいい
  • 人気の曜日や頻度は、仕事や疲れなど「生活の都合」で決まっている面が大きい
  • 大事なのは平均と比べることではなく、二人が納得しているかどうか。体の変化が気になるなら数字より医師に相談を

その1:人気の曜日は「土曜日」

冒頭の「土曜日の夜10時9分」は、イギリスの下着ブランドが、イギリス、アイルランド、アメリカ、カナダの成人およそ2,000人に行ったアンケートから生まれた話です。

夫婦や恋人が親密な時間を持つのに好きな曜日を聞いたところ、結果はこうなりました。

曜日 選んだ人の割合
土曜日 43%
金曜日 22%
日曜日 10%
木曜日 6%
水曜日 5%
火曜日 4%
月曜日 2%

土曜日が圧勝し、月曜日は見事な最下位。日曜日が意外に伸びないのは、「明日から仕事」という現実が頭をよぎるからでしょう。国が違っても、月曜日が憂うつなのは同じようです。

時間帯では、夜10時から深夜0時が一番人気で、回答者の3分の1以上がこの時間帯を選びました。反対に、朝6時から8時を選んだ人はわずかでした。そして「最もセクシーでない時間」に選ばれたのは、月曜日の午後1時2分。昼休み明けの会議を思い浮かべれば、納得の結果です。

もっとも、「10時9分」という分刻みの数字は、話題づくりの演出と考えたほうがよさそうです。調査をしたのが下着ブランドだという点も、頭の片隅に置いておきましょう。

その2:みんな、どのくらいの頻度?

同じ調査では、性行為の頻度も聞いています。いちばん多かったのは「週に1回」で、回答者のほぼ半数。「週に2回」が2割弱で、「毎日」と答えた人はほんの一握りでした。理想の頻度を聞くと、「週に2回」という答えが多かったそうです。

興味深いのは、理想と現実のずれです。多くの人が「本当はもう少し」と思いながら、実際にはそこまでいかない。仕事、疲れ、子育て、睡眠不足。寝室の外の事情が、頻度を決めているわけです。

では日本はどうか。日本は海外の調査で、性行為の頻度が低い国として名前が挙がることがよくあります。日本性科学会では、特別な事情がないのに1か月以上性交渉がない状態を「セックスレス」と呼んでいます。この定義に当てはまる夫婦は、決して珍しくありません。

ただし、頻度が少ないこと自体は、病気でも失敗でもありません。二人とも納得しているなら、それがその夫婦にとっての「普通」です。問題になるのは、片方が寂しさや不満を抱えているとき、そして体の変化が理由で遠ざかっているときです。

もし夫婦で話してみるなら、「何回がいいか」という数字の交渉より、「最近、疲れていない?」「どんなふうに過ごしたい?」という問いかけのほうが、ずっと角が立ちません。回数の目標を立てるのは、ジョギングだけで十分です。

その3:恋愛には4つのタイプがある?

オーストラリア国立大学の研究チームは、恋愛中の18〜25歳の若者800人あまりを調べ、恋愛のスタイルを4つのタイプに分けました。恋愛感情の強さ、相手のことが頭から離れない度合い、相手への献身ぶり、性行為の回数などから分類したものです。

タイプ 割合 特徴
穏やかタイプ 約2割 恋愛感情も執着も控えめ。性行為の回数も少なめで、恋は短めに終わりやすい
ほどほどタイプ 約4割 感情は落ち着いているが、相手への献身はそれなりに高い。いちばん多い多数派
情熱タイプ 約3割 恋にのめり込み、頭の中は相手でいっぱい。女性が多く、恋愛の満足度が高い
全開タイプ 約1割 感情・献身・回数のすべてが高い。週に10回前後という強者も

週に10回。土曜日の夜だけでは到底足りない計算です。研究者は、こうした恋愛のスタイルの違いは気まぐれではなく、人類が進化の中で受け継いできた「戦略」の違いだと考えています。

もっとも、これは18〜25歳の話です。50代の私たちが「自分は何タイプか」と考えると、だいたい「穏やか」か「ほどほど」に落ち着くのではないでしょうか。若い頃は情熱タイプだった、という方も多いはずです。タイプは一生固定ではなく、人生の時期によって変わっていく。そう考えると、少し気が楽になります。

その4:若者の「性離れ」

アメリカでは、ここ十数年で、過去1年間に性交渉がなかった若者の割合が増えているという調査結果が、いくつも報告されています。大学を卒業する時点で性経験のない女性が増えている、という話題もありました。

理由として挙げられているのは、大学で女子学生が男子学生を上回り、出会いのバランスが崩れていること、学業やキャリアを優先する価値観の広がり、スマホやネットで時間が埋まることなどです。

「最近の若い者は」と言いたくなる話ですが、日本でも、若い世代の恋愛や性への関心が薄れているという声は以前からあります。性をめぐる価値観は、時代とともに確実に変わっています。親世代の「普通」が、子ども世代の「普通」とは限らないわけです。

その5:体の中の「性の数字」

アンケートの数字に比べると地味ですが、体の中にも、知っておくとちょっと話の種になる数字があります。

  • 眠っている間の勃起は、一晩に数回:健康な男性は、夢を見やすい浅い眠りのたびに勃起を繰り返しています。朝立ちは、その最後の1回が目覚めと重なったもの
  • 精子ができるまで、およそ2か月半:今日の生活習慣が精子に表れるのは、だいぶ先の話。妊活中の男性が「最低でも3か月は続けて」と言われるのはこのため
  • 精巣は体温より低めが好き:精巣が体の外にぶら下がっているのは、熱に弱い精子のため。長風呂やサウナ、膝の上のノートパソコンは、ほどほどに

アンケートの数字は国や時代で変わりますが、体の数字は、何千年たってもほとんど変わりません。こちらのほうが、よほど信頼できる「性の数字」かもしれません。

数字に振り回されないための3つのコツ

性の数字は面白い。でも、自分の夜に当てはめるときは、少し注意が必要です。

  • 自己申告は盛られる:性の調査は、ほとんどが本人の回答です。回数も、長さも、少し多めに答えたくなるのが人情
  • 誰が調べたかを見る:商品の宣伝を兼ねた調査や、特定の年代・国だけを調べた調査は、そのまま一般化できない
  • 平均と比べない:平均は平均でしかありません。大切なのは、二人が納得しているかどうか

数字を見て落ち込むより、「よその国も月曜日はだめなんだな」と笑うくらいが、ちょうどいい付き合い方です。

数字より大事な、体からのサイン

頻度の数字を気にする前に、気にしてほしいことがあります。それは、自分の体の変化です。

  • 勃起の変化:硬さが足りない、途中で萎える、朝立ちが減った状態が続くなら、血管や持病、服用中の薬が関係していることもあります。泌尿器科やかかりつけ医に相談を
  • 性欲の変化:性欲の低下に、疲れやすさや気分の落ち込みが重なるなら、男性ホルモンの低下やうつが隠れていることもあります
  • 心臓への負担:性行為は、階段を上るくらいの体への負担があると言われます。性行為中に胸の痛みや強い息切れが出たら、すぐに中止し、医療機関を受診してください
  • 性感染症:日本では近年、梅毒が増えており、中高年も無関係ではありません。陰部のしこりやただれ、発疹が出たら、泌尿器科や皮膚科へ

パートナーの側に、性交痛や更年期の悩みがあることもあります。その場合は、責めたり急かしたりせず、婦人科や産婦人科への相談を一緒に考えてみてください。

ED治療薬を考える場合、狭心症などで硝酸薬(ニトログリセリンなど)を使っている人は使えません。使う前に確認したいことはED治療薬を使う前に確認したいことにまとめています。

体の変化が気になったときに

回数の数字より大切なのは、自分の体の変化に気づくことです。勃起の変化が続く場合は、年齢だけでなく、血管や持病、服用中の薬が関係していることもあります。

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まとめ

土曜日の夜が人気で、月曜日の昼は不人気。頻度は週1回くらいが多く、理想と現実には少しずれがある。性の数字は、世界中の人が同じように仕事と疲れに振り回されていることを教えてくれます。ただ、自己申告で、調べた人の都合も入りやすいのが性の数字です。平均と比べて落ち込むより、二人が納得しているかを大切に。そして体の変化が気になったら、数字ではなく医師に相談してください。

本記事は一般的な情報提供を目的としており、診断、治療効果の保証、特定製品の推奨を行うものではありません。持病や服用中の薬がある方、体の変化が続く方は、医師または薬剤師へ相談してください。