
目覚ましが鳴る。なんだか、いい夢を見ていた気がする。ぼんやり思い出して、次の瞬間、布団の中で固まる。
相手は妻でも恋人でもなく、経理の佐藤さん(仮名)だった。
しかも佐藤さんのことは、特に何とも思っていない。むしろ毎月、経費精算の書類を突き返してくる、少し苦手な人です。その日、出社してから佐藤さんの顔をまともに見られなかった……。そんな経験、ありませんか。
安心してください。それはあなたの隠れた本心、というわけではなさそうです。
夢の中の脳は「ブレーキの外れた脚本家」
起きているあいだ、脳には「それはまずいだろう」「常識的に考えて」と止めてくれるブレーキ役がいます。ところが眠っているあいだは、このブレーキ役がお休みしがちです。
残るのは、記憶の引き出しから人や場所を手当たり次第に取り出して、物語をつなげてしまう自由すぎる脚本家。空を飛んだり、水中で息ができたりする夢が平気で成立するのも、そのためだと考えられています。
夢の中で、ふだんは考えもしない相手と親密になってしまうのも、同じ仕組みです。脚本家に悪気はありません。ただ、キャスティングがでたらめなだけです。
なぜ「好きな人」より「身近な人」が出てくるのか
夢のキャストに選ばれやすいのは、理想の相手より、毎日顔を合わせる人たちです。同僚、上司、近所の人、昔の恋人。脚本家は、手前の引き出しに入っている人から使うのです。
つまり、経理の佐藤さんが出てきたのは、あなたが佐藤さんに惹かれているからではなく、毎月の経費精算で記憶の一番手前に佐藤さんがいたから、と考えるほうが自然です。
有名人が出てくるのは「脳の中では知り合いだから」
会ったこともない俳優や女優が、夢ではやけに親しげに登場することもあります。
実は、何度もテレビや雑誌で見ている有名人は、脳の中では「よく知っている人」として記憶されているようです。特定の有名人の写真にだけ反応する脳の神経細胞が見つかった、という話もあるほど。夢の脚本家からすれば、有名人も同僚も、同じ「知り合いフォルダ」の住人なのかもしれません。
エッチな夢をよく見る人、見ない人
「エッチな夢をよく見るのは欲求不満の証拠」と思われがちですが、そう単純でもないようです。
夢の研究では、こうした夢を見る回数は、実際の性生活の回数より、起きているときにあれこれ想像する回数と関係している、という見方があります。パートナーがいるかどうかとも、あまり関係がないようです。
要するに、想像力の豊かな人ほど、夜の脚本家も張り切る。それだけの話です。気まずい夢を見ても、自分を責める必要はありません。
夢とは別に、男の体で起きていること
ここからは、少しだけ真面目な話です。
男性は眠っているあいだ、一晩に何度か、自然に勃起が起きています。目覚める直前のそれに気づいたものが、いわゆる「朝立ち」です。
ポイントは、この勃起は夢の内容とは関係なく起きるということ。エッチな夢を見たから起きるわけでも、見なかったから起きないわけでもありません。神経と血管が、夜のあいだに勝手に点検運転をしているようなものです。
だからこそ、朝立ちは体の調子を知る手がかりの一つになります。年齢とともに少しずつ減るのは自然なことですが、次のような場合は、体の状態を確かめるきっかけにしてください。
- 朝立ちが、以前と比べて明らかに減った、またはほとんどなくなった
- 性行為のときの勃起の変化が、数週間から数か月続いている
- 高血圧、糖尿病、脂質異常症などを指摘されている
- 強いいびきや、睡眠中に呼吸が止まっていると家族に言われる
- 性欲の低下や、強い疲れなど、ほかの変化もある
気になるときは、泌尿器科やかかりつけ医に相談してみてください。
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まとめ
夢の中の脳は、ブレーキの外れた脚本家。手前の引き出しにいる同僚も、「知り合いフォルダ」の有名人も、悪気なくキャスティングしてしまいます。気まずい夢は笑って忘れて、明日も佐藤さんに経費精算の書類を出しましょう。そして、夢とは関係なく毎晩働いている朝立ちには、ときどき目を向けてあげてください。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、診断、治療効果の保証、特定製品の推奨を行うものではありません。体の変化が続く場合や持病・服用中の薬がある方は、医師または薬剤師へ相談してください。