性欲が強すぎるのは病気?|「強い」と「やめられない」の境目と相談先

性欲が強すぎるのは病気?(イメージ写真)

「この年になっても、性欲が強すぎる気がする」「頭の中が、ついそっちのことばかり」。40代、50代の男性から、ときどきこんな悩みを聞きます。周りが「最近めっきり」という話をしているなかで、自分だけ元気すぎるのも、それはそれで落ち着かないものです。

結論から言えば、性欲が強いこと自体は病気ではありません。ただし、それが自分でコントロールできず、生活や人間関係を壊しているなら、話は別です。また、中年以降に急に性欲が強くなった場合は、薬や病気が関係していることもあります。

この記事では、「性欲が強い」と「やめられない」の境目、急な変化で気をつけたいこと、相談先をまとめます。

先に結論

  • 性欲の強さには大きな個人差があり、強いこと自体は異常ではない
  • 問題になるのは、やめたくてもやめられず、仕事や家庭、健康に悪影響が出ているのに続けてしまう状態
  • 中年以降に急に性欲や性的な行動が変わったときは、薬の影響や心と脳の病気が隠れていることがある

「強い」と「やめられない」の違い

性欲は食欲と同じで、人によって強さがまったく違います。年齢を重ねても性欲が強い人は珍しくありませんし、それを夫婦で楽しめているなら、何の問題もありません。

一方で、世界保健機関(WHO)の病気の分類には、「強迫的性行動症」という状態が載っています。性欲の強さそのものではなく、性的な衝動や行動を自分でコントロールできなくなっている状態のことです。目安になるのは、次のような点です。

  • やめよう、減らそうと何度思っても、うまくいかない
  • 性的な行動が生活の中心になり、仕事や家族、健康、ほかの楽しみが後回しになっている
  • 家庭の不和、借金、仕事上のトラブルなど悪い結果が出ているのに、続けてしまう
  • 楽しいからというより、不安やストレスから逃げるためにしている
  • 終わったあと、強い後悔や自己嫌悪に襲われる

ポイントは「本人が苦しんでいるか」「やめたくてもやめられないか」です。回数の多さだけで決まるものではありません。

どんな人がなりやすい?

はっきりした原因は分かっていませんが、衝動的になりやすい、気分が不安定になりやすい、といった傾向との関係を指摘する研究もあります。また、強いストレスや孤独、うつや不安を抱えているときに、性的な行動が「気晴らし」になり、それが習慣として固まってしまうこともあると考えられています。

スマートフォンでいつでも性的な動画を見られる今は、ひとりで深みにはまりやすい環境でもあります。夜中まで画面を見続けて睡眠時間が削られている、という形で表れることもあります。

中年以降に急に変わったら、体のサインのことも

若い頃からではなく、40代、50代以降になって急に性欲や性的な行動が強くなった場合は、次のような原因が隠れていることがあります。

  • 薬の影響:パーキンソン病などの治療に使われる一部の薬で、性的な衝動や買い物、ギャンブルなどの衝動が強まることが知られています。自己判断でやめず、すぐに処方した医師に相談してください
  • 気分の病気:双極性障害(躁うつ病)の躁状態では、眠らなくても平気、お金を使いすぎる、といった変化とともに性欲が高まることがあります
  • 脳の病気:前頭葉がかかわる認知症の一部や、脳の病気・けがのあとに、性的な言動を抑えにくくなることがあります

本人より先に、家族が「人が変わったようだ」と気づくことも多いものです。急な変化には、性格の問題と片づけず、医療機関に相談してください。

夫婦の間での「性欲の差」

夫の性欲が強く、妻がついていけない。50代前後の夫婦では、よくある悩みです。妻の側は閉経の前後で、膣の乾燥や性交時の痛み、更年期の症状を抱えていることもあります。

ここで大切なのは、相手を説得したり、回数を求めたりしないことです。夫婦であっても、相手が望まない性行為はあってはならないことです。性欲の差は、どちらが正しいという話ではなく、話し合って折り合いをつけるものです。触れ合いの形を変える、話し合いが難しければ夫婦カウンセリングを利用する、といった方法もあります。妻に痛みなどの症状があるときは、婦人科への相談を勧めてください。

相談先

  • 性的な衝動や行動がコントロールできず、生活に支障が出ている → 精神科・心療内科。依存症を専門に扱う外来がある医療機関もあります
  • 薬を飲み始めてから性欲や衝動が強くなった → 処方した医師(自己判断で中止しない)
  • 気分の高ぶりと落ち込みの波、眠らなくても平気な状態がある → 精神科
  • 物忘れや人柄の変化をともなう → かかりつけ医、もの忘れ外来、脳神経内科
  • 他人を傷つけそう、法に触れる行動をしそうで怖い → 一人で抱えず、すぐに精神科や公的な相談窓口へ

恥ずかしい悩みに思えるかもしれませんが、医療機関にとっては珍しい相談ではありません。早めに相談するほど、選べる方法も増えます。

体の変化が気になったときに

性欲や性機能の悩みは、ひとりで抱え込みやすいものです。勃起の変化が気になる場合は、年齢だけでなく、血管や持病、服用中の薬が関係していることもあります。

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まとめ

性欲が強いこと自体は病気ではありません。問題になるのは、やめたくてもやめられず、生活や人間関係に悪影響が出ているのに続けてしまう状態です。中年以降に急に変わった場合は、薬や心と脳の病気が隠れていることもあります。夫婦の性欲の差は、説得ではなく話し合いで。困ったときは、精神科・心療内科や処方医に相談してください。

本記事は一般的な情報提供を目的としており、診断、治療効果の保証、特定製品の推奨を行うものではありません。持病や服用中の薬がある方、体の変化が続く方は、医師または薬剤師へ相談してください。