
「あれ、もう?」。自分でもそう思ってしまう夜がある。パートナーは何も言わないけれど、内心どう思っているのか気になって仕方がない。
早漏は、男性の性の悩みの中でもかなりありふれたものです。それなのに、EDに比べても話題にしにくく、医療機関に相談する人は少ないと言われています。笑い話にされやすいぶん、本人は真剣に悩んでいる、という種類の悩みです。
この記事では、早漏とはどういう状態か、40代・50代で「早くなった」と感じたときに考えたい原因、自分でできる対処、相談の目安を順番にまとめます。
先に結論
- 早漏は「何分以内」だけで決まるものではない。自分でコントロールできず、本人やパートナーが悩んでいるかどうかが大切
- 中年以降に急に早くなった場合は、EDや前立腺の炎症、不安など、きっかけとなる原因が隠れていることがある
- 自分でできるトレーニングもあり、医療機関で相談できる治療もある。一人で抱え込まず、パートナーと話すことから
そもそも早漏とは?
早漏は、ざっくり言えば「射精のタイミングを自分でコントロールできず、思ったより早く射精してしまい、それを本人やパートナーが悩んでいる状態」です。
医学的な目安としては、挿入してからおおむね1分前後、あるいはそれより前に射精してしまう状態が多くの場合続いていることや、以前と比べて明らかに短くなったことなどが挙げられます。ただし、時間はあくまで目安の一つです。
実際には、射精までの時間は人によって、その日の体調や気分によっても大きく変わります。映像作品などのイメージと比べて「自分は早すぎる」と思い込んでいる人も少なくありません。時間がそれほど短くなくても本人がつらいなら相談する価値がありますし、逆に、時間が短くても二人が満足していれば、無理に「治す」必要はないのです。
2つのタイプ:生まれつき型と、あとから型
早漏は、大きく2つのタイプに分けて考えられています。
- 生まれつき型:初めての性体験のころから、ずっと早い。体質的な要素が大きいと考えられている
- あとから型:以前は問題なかったのに、ある時期から早くなった。何かきっかけとなる原因があることが多い
40代・50代で「最近、早くなった」と感じているなら、多くはあとから型です。年齢とともに、むしろ射精まで時間がかかるようになる人も多いので、急に早くなったのなら、その理由を探してみる価値があります。
早くなる原因:心と体の両方から
EDとの関係(40代以降はまずここ)
中年以降の早漏で見落とされやすいのが、EDとの関係です。勃起が弱くなってくると、「硬さがあるうちに終わらせなければ」という焦りが生まれ、射精が早くなることがあります。本人は「早漏」だと思っていても、根っこにあるのは勃起の悩み、という場合です。
この場合、早漏だけに目を向けても、なかなかうまくいきません。勃起の状態についても一緒に相談することが大切です。
不安・緊張・プレッシャー
「また早かったらどうしよう」という不安は、体を緊張させ、かえって射精を早めてしまいます。久しぶりのとき、相手に気をつかいすぎているとき、仕事のストレスが強いときなども、早くなりやすいものです。夫婦関係のぎくしゃくが影響していることもあります。
前立腺の炎症
前立腺炎があると、射精が早くなったり、射精のときに痛みや不快感が出たりすることがあります。会陰部(陰のうの裏あたり)の重い感じ、排尿の違和感などがあるなら、泌尿器科で相談してください。
甲状腺の病気や薬
甲状腺の働きが強くなりすぎる病気で、射精が早くなることがあると言われています。動悸、汗が多い、手が震える、食べているのに体重が減る、といった症状があれば、内科での相談を。また、飲み始めた薬や、やめた薬が影響していることもあります。
若い頃からの「急ぐ癖」
若い頃の自慰の習慣などで、短時間で済ませる癖が体についている、という見方もあります。こうした場合は、次に紹介するトレーニングで、少しずつコントロールを身につけていくことができます。
自分でできる対処法
ストップ・スタート法
自慰やパートナーとの行為の中で、射精しそうな感覚が高まってきたら刺激を止め、波が引くのを待ってから再開する方法です。これを何度か繰り返し、「射精の手前の感覚」をつかんでいきます。最初は一人で練習するとやりやすいでしょう。
スクイーズ法
射精しそうになったところで、陰茎の先端に近い部分を指で数秒ぎゅっと握って刺激を止め、射精の波をやり過ごす方法です。パートナーに協力してもらうこともできます。
骨盤底筋を鍛える
射精にかかわる骨盤底筋を意識して動かせるようになると、射精をこらえる助けになることがあります。おならを我慢するときに締まる部分を、数秒締めてゆるめる運動です。詳しいやり方はプランクと骨盤底筋の記事で紹介しています。
呼吸と体の力み
息を止めて体に力が入ると、射精は早まりやすくなります。ゆっくり息を吐くことを意識し、ペースを落とす、体位を変えるなどして、興奮の波を調整してみてください。
刺激を少し和らげる工夫
コンドームをつけると、刺激が少し和らいで落ち着いていられる、と感じる人もいます。また、2回目は1回目より射精まで時間がかかりやすいものです。ただし、年齢とともに次に勃起できるまでの間隔は長くなるので、無理はしないでください。
体を動かす習慣
短時間の運動を続けたグループで早漏の自己評価が改善したという、若い男性を対象にした小さな研究もあります。まだ確かなことは言えませんが、運動は血管にもストレスにもよい習慣です。持病がある人は、強い運動を始める前に主治医に相談してください。
パートナーとの話し方
早漏の悩みを一人で抱えていると、夜のたびに緊張し、だんだん夫婦の時間そのものを避けるようになってしまうことがあります。そうなると、相手は「自分に魅力がないのか」と受け取ってしまうかもしれません。
話すときは、深刻な告白にしなくてもかまいません。「最近、自分でも早いのが気になっていて」と一言伝えるだけで、二人の間の空気はずいぶん変わります。挿入の時間だけが満足を決めるわけではなく、触れ合う時間やゆっくりした前戯を大切にすることで、プレッシャーが和らぐこともあります。
パートナーの側に、性交痛などの体の悩みがあることもあります。その場合は、婦人科・産婦人科で相談できることを伝え、責め合わないことが大切です。
医療機関では何ができる?
泌尿器科やメンズクリニックでは、まず問診で、いつから、どんな状況で早いのか、勃起の状態、持病や薬などを確認します。そのうえで、トレーニングの指導、カウンセリング、薬による治療などを組み合わせて考えます。
早漏の治療に使われる薬には、飲み薬や塗り薬などがありますが、使えるもの、使い方、費用(健康保険がきかないことが多い)は、医療機関で確認が必要です。もともと別の病気に使われる薬を応用する場合もあり、眠気や吐き気などの副作用や、ほかの薬との飲み合わせに注意が必要なものもあります。
海外で使われている早漏の薬を、ネットで個人輸入して自己判断で使うのはおすすめできません。成分や品質が確かでないものが混ざっているおそれがあり、飲み合わせの問題も確認できないからです。詳しくは個人輸入の前に確認したいことにまとめています。
感度を鈍らせる手術を行う医療機関もありますが、元に戻せない可能性もあるため、受ける場合は説明を十分に聞き、慎重に判断してください。
受診の目安と、何科に行くか
相談先は、泌尿器科やメンズクリニック、不安や緊張が強い場合は心療内科も選択肢です。次のような場合は、相談を考えてください。
- 早いことが続いて、本人やパートナーがつらいと感じている
- 40代・50代になってから、急に早くなった
- 勃起の硬さや持続にも変化がある
- 射精のときの痛み、精液に血が混じる、排尿の違和感や発熱がある
- 動悸、手の震え、体重減少など、ほかの体の変化もある
勃起の悩みも一緒にあり、ED治療薬を考える場合は、狭心症などで硝酸薬(ニトログリセリンなど)を使っている人は、血圧が急に下がり命にかかわるおそれがあるため使えません。心臓の病気などがある人も必ず医師に相談してください。詳しくはED治療薬を使う前に確認したいことにまとめています。
体の変化が気になったときに
40代・50代の早漏の悩みには、勃起の変化が隠れていることがあります。勃起の変化は、年齢だけでなく、血管や持病、服用中の薬が関係していることもあります。
Bodyagainでは、ED治療や治療薬を検討する前に確認したい15項目を、無料のPDFガイドにまとめています。持病や服用中の薬、医療機関に相談する目安を、ご自身で整理するための一般的な情報です。
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まとめ
早漏は時間だけで決まるものではなく、コントロールできないことを本人やパートナーが悩んでいるかどうかが大切です。40代・50代で急に早くなったなら、EDや前立腺の炎症、不安や緊張などのきっかけが隠れていることがあります。ストップ・スタート法や骨盤底筋の運動など自分でできることもあり、医療機関で相談できる治療もあります。まずはパートナーに一言伝え、続くときは泌尿器科に相談してください。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、診断、治療効果の保証、特定製品の推奨を行うものではありません。持病や服用中の薬がある方、体の変化が続く方は、医師または薬剤師へ相談してください。