
「男性の勃起時の長さが、30年で3cm近く伸びた」。数年前、こんなニュースが海外で話題になりました。世の男性が一斉に、自分は伸びた側なのか、取り残された側なのかと考えたに違いありません。
ところが、この話には続きがあります。研究者自身は「喜んでいる場合ではないかもしれない」と言っているのです。
この記事では、この「30年で3cm」の話を入り口に、平均サイズの本当のところ、男性がサイズを気にしすぎる理由、そしてサイズより大事なことを、まじめに少し笑いながら見ていきます。
先に結論
- 「30年で3cm伸びた」という研究はあるが、測り方の違いなども含めて、まだ結論とは言えない
- 男性の多くは平均を大きく見積もりすぎていて、実際の平均はそれほど大きくない
- 性の満足に大切なのは、サイズよりもコミュニケーションと、勃起を支える体の健康
「30年で3cm」はどんな研究?
この研究は、アメリカのスタンフォード大学のチームが、1942年から2021年までに世界で行われた75本の研究、5万人を超える男性のデータをまとめたものです。
その結果、勃起時の平均の長さは、1990年代はじめにはおよそ12cmだったのが、2021年にはおよそ15cmになっていた、と報告されました。割合にすると、2割以上の伸びです。
ただし、注意したい点がいくつもあります。研究ごとに測り方が違うこと、自分で測った数字が混ざっている可能性があること、時代によって調べた国や地域が違うことなどです。研究チームも、なぜこんな変化が起きたのかは分からないとしています。
研究者が「喜べない」と言う理由
研究チームが気にしているのは、この変化が短い期間に起きたことです。人間の体の発達が、ほんの数十年でここまで変わるのは普通ではない。何か体の中で大きな変化が起きているサインかもしれない、というわけです。
候補として挙げられているのが、ホルモンの働きを乱す化学物質(いわゆる環境ホルモン)や、座りっぱなしの生活などです。同じ時期に、子どもの思春期が早まっている、精子の数が減っている、という報告も出ていることから、生殖にかかわる体の仕組みに何かが起きているのではないか、と考えられています。
もっとも、これらはまだ仮説の段階です。今日から何かを恐れる必要はありませんが、「大きくなったら万々歳」という単純な話ではない、ということは覚えておいてよさそうです。
男性は平均を「盛って」いる
サイズの悩みでいちばん厄介なのは、比べる相手の数字が現実離れしていることです。
海外の研究をまとめた報告によると、多くの男性は勃起時の平均を15cm以上だと思い込んでいます。しかし、きちんと測った研究を中心に見ると、実際の平均は13cm前後です。自分で測った数字や、男同士の自己申告が混ざると、平均はどうしても大きくなります。釣った魚の大きさと同じで、話すたびに少しずつ伸びていくのです。
ちなみに、正しい測り方は、勃起した状態で、恥骨(根元の骨)に定規を軽く押し当てて先端まで測る方法です。お腹の脂肪で根元が埋もれている人は、ここで少し得をするかもしれません。
そして、古代の壁画や彫刻から現代の雑誌まで、人類は昔から大きな男性器を力や男らしさの象徴として描いてきました。私たちが「もっと大きくなければ」と感じるのは、何千年分の刷り込みのせいとも言えます。
女性の本音は「サイズより大事なものがある」
一方、女性の見方はずっと現実的です。女性が考える平均の長さは実際の数字に近く、海外の調査でも、多くの女性がパートナーのサイズに満足していると答えています。性の満足度を左右する要素として、サイズを一番に挙げる女性は多くありません。
では何が大事なのか。よく挙がるのは次のようなことです。
- コミュニケーション:何が心地よいのか、どうしてほしいのかを話せること
- ふれあいの時間:急がず、前後の時間も含めて大切にすること
- 安心感と信頼:長年連れ添った夫婦ならではの強み
つまり、悩むべきは長さではなく、使い方と、相手への向き合い方です。
大人の男が本当に気にしたいこと
40代・50代になって気にしたいのは、サイズよりも、勃起の硬さや持続です。勃起は血管の仕事で、硬さの変化は、高血圧や糖尿病、脂質異常症など、血管の状態を映すことがあります。
年齢とともに「短くなった」と感じる人もいますが、これも血流の低下や、お腹の脂肪で根元が隠れることが主な理由と考えられています。お腹まわりを引き締めることは、見た目の長さにも、血管の健康にもプラスです。
増大をうたう商品と、受診の目安
塗るだけ、飲むだけで大きくなる、という確かな方法は知られていません。成分のよく分からない輸入サプリには、医薬品の成分が混ざっていた例もあります。シリコンなどの異物を注入する行為は、炎症や変形の原因になり危険です。
次のようなときは、泌尿器科に相談してください。
- 勃起したときに曲がる、痛む、硬いしこりがある
- 勃起の硬さや持続の変化が続く
- サイズの悩みが強く、性生活や日常生活に支障が出ている(心療内科などでの相談も選択肢)
体の変化が気になったときに
サイズより気にしたいのは、勃起の硬さや持続の変化です。勃起の変化が続く場合は、年齢だけでなく、血管や持病、服用中の薬が関係していることもあります。
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まとめ
「30年で3cm伸びた」という研究は興味深いものの、測り方の違いもあり、まだ結論ではありません。研究者自身は、環境や生活の変化のサインかもしれないと考えています。そして男性の多くは平均を盛って覚えていて、実際の平均はそれほど大きくありません。悩むべきはサイズではなく、パートナーとの向き合い方と、勃起を支える血管の健康です。曲がりや痛み、硬さの変化が気になるときは、泌尿器科に相談してください。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、診断、治療効果の保証、特定製品の推奨を行うものではありません。持病や服用中の薬がある方、体の変化が続く方は、医師または薬剤師へ相談してください。