
温泉やサウナで、ふと自分の体を見下ろして思う。「あれ、こんなに小さかったっけ」。
顔のしわや白髪、おなかまわりの変化は、毎日鏡で見ているので少しずつ受け入れていけます。でも、男性器の変化はふだんじっくり見るものでもなく、気づいたときには「いつの間に」と驚く。しかも、誰かに聞くわけにもいきません。
実は、年齢とともに男性器にもいろいろな変化が起きるのは、ごく自然なことです。一方で、なかには早めに受診したい変化もあります。この記事では、40代からの男性器の変化とその理由、自分でできること、すぐに受診したいサインを整理します。
先に結論
- 年齢とともに、見た目が小さくなる、硬さが落ちる、感覚が鈍くなる、陰のうがたるむといった変化は、多くの男性に起きる自然なこと
- 「縮んだ」の大きな原因の一つは、おなかの脂肪で根元が埋もれること。血管とホルモンの変化も関係する
- 曲がり・痛み・しこり・急な腫れは受診のサイン。性行為中に「ボキッ」と音がして急に萎えたら、すぐ救急へ
「小さくなった」の正体
1. おなかの脂肪で埋もれている
いちばん多い理由がこれです。下腹部、特に恥骨のあたりに脂肪がつくと、男性器の根元がその中に埋もれ、見えている部分が短くなります。実際の長さが変わっていなくても、見た目は確実に小さくなります。
ついでに言えば、自分の体を上から見下ろすと、角度の関係で実際より短く見えます。温泉で横にいる人と比べて落ち込むのは、そもそも条件が公平ではないのです。寒さや緊張で縮こまるのも、ごく普通の反応です。
裏を返せば、おなかまわりが引き締まれば、見た目が戻ることもあるということです。内臓脂肪や下腹の脂肪は、血管や男性ホルモンにもよくないので、減らして損はありません。
2. 血流と組織の変化
陰茎の中には、血液をためて勃起を起こすスポンジのような組織(海綿体)があります。年齢とともに血管が硬くなったり、この組織の弾力が落ちたりすると、勃起したときにも以前ほど血液が満ちず、「張り」や大きさが物足りなく感じられることがあります。
高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙は、どれも血管を傷める要因です。男性器の変化は、血管の状態を映していることもあります。
3. 男性ホルモンの低下
男性ホルモンは、年齢とともに少しずつ減っていきます。性欲や勃起のスイッチにかかわるホルモンなので、減り方が大きいと、勃起の力や男性器の変化にも影響することがあります。
4. 手術や病気、薬
前立腺がんの手術など、骨盤の中の手術のあとに、男性器が短くなったように感じることがあります。また、一部の血圧の薬、抗うつ薬、薄毛の薬などが、性機能に影響することがあります。自己判断で薬をやめず、処方した医師に相談してください。
硬さ・感覚・射精の変化
サイズ以外にも、年齢とともに次のような変化がよく見られます。
- 硬さが落ちる、途中で萎えやすい:血管、神経、ホルモン、睡眠、ストレスなどが重なって起きます。続くようならEDとして相談の対象になります
- 感覚が鈍くなる:興奮やオーガズムまでに時間がかかるようになります。強すぎる刺激で補おうとすると、皮膚を傷めることがあるので注意を
- 精液の量が減る、勢いが弱くなる:多くの男性に起きる自然な変化です
- 次の勃起までの間隔が長くなる:これも自然な変化です
勃起の変化が気になる方は、EDの主な原因と受診を考える目安もあわせて読んでみてください。
見た目の変化(ほとんどは心配いらないもの)
- 陰毛が白くなる、薄くなる:髪の毛と同じで、自然な変化です
- 陰のうがたるむ:皮膚のハリが落ちるためで、自然な変化です。こすれて痛む場合は、下着を変えるなどの工夫を
- 精巣が小さくなったように感じる:年齢とともにやや小さくなることがあります。ただし、急に小さくなった、左右差が大きくなった場合は相談を
- 色が変わる:血流の変化で色合いが変わることがあります。ただし、一部だけ色が変わった、ただれやしこり、痛みをともなう場合は受診を
曲がってきたら:ペロニー病のこともある
勃起したときに陰茎が以前より曲がるようになった、痛みがある、陰茎の中に硬いしこりを触れる。こうした場合は、ペロニー病という病気の可能性があります。陰茎の中の膜に硬いしこり(瘢痕)ができ、そこが伸びにくくなるために曲がる病気で、中高年の男性に見られます。
生まれつき多少曲がっているのは珍しくなく、心配いりません。問題は、大人になってから曲がりが出てきたり、強くなったりした場合です。詳しくはペロニー病の記事にまとめています。
本当にある「陰茎折症」
陰茎には骨がありません。それなのに「折れる」ことがあります。医学的には「陰茎折症」と呼ばれ、勃起して硬くなった陰茎に無理な力がかかり、海綿体を包む膜が裂けてしまう状態です。
多くは性行為中に起きます。勢いあまって挿入が外れ、相手の体に強くぶつかったときや、女性が上になる体位で体重がかかったときなどです。
典型的な症状は次のとおりです。
- 「ボキッ」「パキッ」という音がする
- 突然の強い痛み
- 勃起がすぐに消える
- 陰茎が紫色に腫れ上がり、変形する
- 尿に血が混じる、尿が出にくい(尿道も傷ついている可能性)
この場合は、恥ずかしがらずに、すぐに救急外来や泌尿器科を受診してください。多くは手術で裂けた膜を縫い合わせます。早く治療を受けるほど、勃起の機能を保ちやすいとされています。放っておくと、陰茎が曲がったり、勃起がうまくいかなくなったりするおそれがあります。
予防のためには、激しい動きや勢い任せの挿入を避け、体位を変えるときはゆっくりと。お酒が入っているときは、加減が利きにくくなるので要注意です。
「自信」の問題は、心の健康の問題でもある
男性器の大きさや形への不満が強い人ほど、性生活の満足度が低く、気分の落ち込みや不安も強い傾向がある、という海外の研究があります。男性器へのコンプレックスは、単なる見た目の話ではなく、心の健康にもかかわるということです。
実際には、パートナーにとって大きさはそれほど大きな問題ではないことも多いものです。気にしすぎて夫婦の時間を避けるようになるほうが、関係にとってはよほど影響が大きいかもしれません。不安や落ち込みが強いときは、泌尿器科だけでなく、心療内科などで相談するのも一つの方法です。
私の場合:「全く反応しない」日々
私は2016年に前立腺がんの手術を受けました。術後に待っていたのは、勃起反応がまったくない日々でした。朝の生理現象すらない、文字通り「全く反応しない」状態です。
いちばん堪えたのは、体の不便さよりも、「自分はもう男じゃないのか」という感覚が夜になると押し寄せてくることでした。男性器の変化は、それほど深く、男としての自信にかかわるものなのだと思います。だからこそ、変化に気づいたときに一人で落ち込まず、原因を確かめ、相談できる場所があることを知っておいてほしいと思います。私の10年は前立腺癌術後ED 10年の全記録に書きました。
今日からできること
- おなかまわりを減らす:見た目にも、血管とホルモンにもよい、いちばんの近道です
- 歩く:1日20〜30分のウォーキングは、血管の健康の基本です
- たばこをやめる:血管を守るための大きな見直しです
- 眠りを確保する:男性ホルモンも夜間の勃起も、眠りの中で働いています
- 骨盤底筋を使う:勃起を支える筋肉です。やり方はプランクと骨盤底筋の記事で紹介しています
- ときどき自分で触って確かめる:入浴時に、精巣や陰茎にしこりや腫れがないかを確かめる習慣を
受診の目安と、何科に行くか
相談先は泌尿器科です。次のような場合は、受診を考えてください。
- 勃起の硬さや持続の低下が続いている
- 勃起したときの曲がりが出てきた、強くなった、痛む
- 陰茎や精巣にしこりや腫れがある、片側の精巣が重く感じる
- 一部だけ色が変わった、ただれや出血がある
- 男性器の悩みで、気分の落ち込みや不安が続いている
次の場合は、すぐに医療機関を受診してください。
- 性行為中などに音がして、急に勃起が消え、腫れて変色した(陰茎折症のおそれ)
- 痛みをともなう勃起が4時間以上続く
- 陰のうの急な激しい痛み
ED治療薬を考える場合は、狭心症などで硝酸薬(ニトログリセリンなど)を使っている人は、血圧が急に下がり命にかかわるおそれがあるため使えません。心臓の病気などがある人も、必ず医師に相談してください。詳しくはED治療薬を使う前に確認したいことにまとめています。
体の変化が気になったときに
男性器の変化、とくに硬さや勃起の変化は、年齢だけでなく、血管や持病、服用中の薬が関係していることもあります。
Bodyagainでは、ED治療や治療薬を検討する前に確認したい15項目を、無料のPDFガイドにまとめています。持病や服用中の薬、医療機関に相談する目安を、ご自身で整理するための一般的な情報です。
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まとめ
年齢とともに、男性器が小さく見える、硬さが落ちる、感覚が鈍くなる、陰のうがたるむといった変化は、多くの男性に起きる自然なことです。「縮んだ」の大きな原因はおなかの脂肪で、血管とホルモンの変化も関係します。一方で、曲がりや痛み、しこり、急な腫れは受診のサインです。性行為中に音がして急に萎え、腫れたときは、すぐに救急外来や泌尿器科へ。変化に気づいたら、一人で落ち込まず相談してください。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、診断、治療効果の保証、特定製品の推奨を行うものではありません。持病や服用中の薬がある方、体の変化が続く方は、医師または薬剤師へ相談してください。