コアガズムとは? 腹筋運動で「まさかの快感」が起きる理由と、男性にも関係する骨盤底筋の話

ジムのベンチに座り、運動後に一息つく50代男性の後ろ姿

ジムで腹筋台に寝転び、足を上げ下げしていたら、なぜか下腹のあたりがムズムズしてきて……「ん? これはまさか」。

そんな経験をした方が、実は世の中には一定数いるようです。この現象には「コアガズム」という、ちょっと照れくさい名前まで付いています。

今回は、このコアガズムの正体と、男性にも関係があるのか、そしてもし起きてしまったらどうすればいいのかを、まじめに、ときどき笑いながら解説します。

先に結論:コアガズムを3行で

  • コアガズムは、腹筋など体の中心(コア)を使う運動中に、性的な刺激がないのにオーガズムに近い感覚が起きる現象
  • 女性の話題として広まったが、男性にも起きることが分かっている
  • カギは、骨盤の底で排尿や勃起を支える「骨盤底筋」。体にとって異常なことではない

コアガズムとは? 名前の由来

コアガズム(coregasm)は、「コア(体幹)」と「オーガズム」を組み合わせた造語です。研究の世界では「運動誘発性オーガズム」と、もう少しお堅い名前で呼ばれています。

この現象は、昔から「そういうことがあるらしい」と言われてきました。数年前、海外のSNSで「腹筋をしていたら起きた」という告白が話題になり、一気に名前が知られるようになりました。

ポイントは、エッチなことを何も考えていないのに起きるという点です。本人は真剣に腹筋を割ろうとしているだけ。体のほうが、勝手に別のスイッチを押してしまうわけです。

男性にも起きる?

起きます。話題になったのは女性の体験談でしたが、海外の研究者が男性を調べたところ、運動中にオーガズムや性的な快感を覚えたことがある男性も見つかっています。なかには、射精をともなったという人もいました。

「思い当たる」という方も、「聞いたことすらない」という方も、どちらも普通です。起きる人もいれば、一生起きない人もいる。そういう種類の体の反応です。

なぜ運動で気持ちよくなるのか

はっきりした仕組みは、まだ分かっていない部分があります。ただ、次のような要素が重なっていると考えられています。

  • 骨盤底筋が強く締まる:腹筋運動では、お腹と一緒に骨盤の底の筋肉にもぐっと力が入ります。この筋肉は、オーガズムのときにリズミカルに収縮する筋肉そのものです
  • 周りの神経が刺激される:骨盤まわりには、性的な感覚を伝える神経が通っています。筋肉が長く強く緊張すると、その神経まで巻き込まれることがあります
  • 運動で気分が高まる:運動中は、気分を上向きにする脳内の物質が増えます。体の興奮と気分の高まりが重なると、快感に結びつきやすくなると言われます

要するに、腹筋を鍛えているつもりが、性の反応にかかわる筋肉と神経まで一緒に動かしていた、ということです。

起きやすいと言われる運動

体験談でよく名前が挙がるのは、お腹と骨盤まわりに長く力が入る運動です。

  • 腹筋運動(クランチ、足上げ腹筋)
  • ぶら下がって膝や脚を持ち上げる運動
  • 懸垂、ロープ登り、クライミング
  • 重いウエイトを使うスクワットなど

どれも「プルプルしながら耐える」系の運動です。軽いウォーキングで起きたという話は、ほとんど聞きません。

ジムで起きてしまったら

40代・50代の男性にとって、一番の問題はここかもしれません。人目のあるジムで、しかも短パン姿。気まずさは相当なものです。

  • まずは種目を変える:起きやすい種目が分かったら、その日は脚や背中など別の部位に切り替える
  • 力を入れる時間を短くする:回数を分けて、長くキープしすぎない
  • 呼吸を止めない:力むほど骨盤まわりの緊張も強くなる
  • 念のため、色の濃いウエアで:備えあれば憂いなし

逆に「悪くないな」と思った方も、とくに止める理由はありません。体に害があるものではないので、気にしすぎず、ほどほどに付き合えば大丈夫です。

本当の主役は「骨盤底筋」

コアガズムの話でいちばん大事なのは、実はこの骨盤底筋の存在です。骨盤の底でハンモックのように内臓を支えている筋肉で、男性では次のような仕事をしています。

  • おしっこを止める、最後まで出し切る
  • 勃起を保つのを支える
  • 射精にかかわる

年齢とともにこの筋肉がゆるむと、トイレのキレが悪くなったり、勃起が長続きしにくくなったりすることがあります。前立腺の手術を受けた人が、尿もれの回復のために骨盤底筋の運動を勧められることがあるのも、この筋肉が排尿を支えているからです。

コアガズムが起きるということは、運動で骨盤底筋がしっかり使われている、という見方もできます。目に見えない筋肉ですが、40代からは腹筋と同じくらい気にかけておきたい場所です。鍛え方は、1日10秒の「プランク」と骨盤底筋の記事で紹介しています。

こんなときは医療機関へ

運動中の快感そのものは、心配するものではありません。ただし、次のような場合は話が別です。

  • 射精のときに痛みがある、精液に血が混じる、下腹部や陰部の痛みが続く → 泌尿器科へ
  • 運動中に胸の痛み、強い息切れ、めまいが出た → すぐに運動をやめ、続くようなら医療機関へ
  • 高血圧や心臓の病気で治療中 → 強い筋トレを始める前に主治医に相談

体の変化が気になったときに

骨盤底筋は、排尿や勃起にかかわる筋肉の一つです。40代・50代になると、こうした体の変化が気になり始める方も少なくありません。勃起の変化が続く場合は、年齢だけでなく、血管や持病、服用中の薬が関係していることもあります。

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まとめ

コアガズムは、腹筋などの運動中に起きる、ちょっと不思議でまじめな体の反応です。男性にも起き、体に害があるものではありません。ジムで困ったら、種目を変えて呼吸を止めないこと。そしてこの話をきっかけに、排尿や夜の元気を陰で支える骨盤底筋のことも、少しだけ気にかけてみてください。

本記事は一般的な情報提供を目的としており、診断、治療効果の保証、特定製品の推奨を行うものではありません。持病や服用中の薬がある方、体の変化が続く方は、医師または薬剤師へ相談してください。