賢者タイムはなぜ起こる? 射精後に冷める・落ち込む理由と、ポルノの見過ぎの話

賢者タイムはなぜ起こる? 射精後に冷める・落ち込む理由と、ポルノの見過ぎの話(イメージ写真)

さっきまであれほど夢中だったのに、終わった瞬間、すっと頭が冷える。天井を見ながら、なぜか人生や仕事のことを考え始める。ネットではこれを「賢者タイム」と呼びます。うまい名前を付けたものです。

ほとんどの男性にとってはおなじみの感覚ですが、なかには「冷めるどころか、なぜか落ち込む」「虚しくて涙が出そうになる」という人もいます。そして、この冷め方がパートナーを傷つけてしまうこともあります。

この記事では、賢者タイムがなぜ起こるのか、射精後に気分が沈むのはおかしいことなのか、最近話題の「ポルノの見過ぎ」との関係まで、順番に見ていきます。

先に結論

  • 賢者タイムは、射精後に体が「いったん休む」ための自然な反応。年齢とともに長くなるのも普通
  • 射精後に落ち込む、不安になる人もいる。罪悪感や恥ずかしさが関係していると考えられている
  • 落ち込みが日常にまで続く、射精後に体調を崩す、ポルノがやめられない場合は、専門家に相談してよいサイン

賢者タイムの正体は「不応期」

医学的には、射精のあと、しばらく次の勃起や射精が起こりにくくなる時間を「不応期」と呼びます。体が「今日の任務は完了」とシャッターを下ろしている時間です。

この間、脳の中では気分ややる気にかかわる物質のバランスが大きく変わると考えられています。興奮の主役だったドーパミンが落ち着き、満足感や眠気にかかわるとされるホルモンが増える。そのため、急に冷静になったり、眠くなったりするわけです。仕組みにはまだ分かっていない部分もありますが、体にとっては正常な反応です。

不応期の長さは人によって大きく違い、年齢とともに長くなっていきます。20代なら短時間で復活できた人が、50代になると「次は明日以降で」となるのは、ごく自然なことです。年齢を重ねた体が、省エネ運転を覚えたと考えてください。

冷めるのではなく、落ち込む人もいる

賢者タイムには、もう少し重いバージョンもあります。性行為や自慰のあとに、理由もなく悲しくなる、不安になる、イライラする、涙が出る。こうした状態は「性交後気分不快」と呼ばれ、研究も行われています。

以前は女性に多い話と思われていましたが、イギリスの大学の調査などで、男性にも少なくないことが分かってきました。自慰のあとに気分が落ち込むと答えた男性が多かった、という報告もあります。

研究者が背景として挙げているのは、罪悪感や恥ずかしさです。「こんなことをしている自分はだめだ」という気持ちが、射精後の冷静な頭に一気に押し寄せる。若い頃に性を後ろめたいものとして教わった世代ほど、心当たりがあるかもしれません。

一方で、信頼できるパートナーとの関係の中での性行為では、こうした落ち込みが起こりにくいことも報告されています。体の反応だけでなく、気持ちの安心感が大きくかかわっているわけです。

賢者タイムで夫婦がすれ違うとき

男性にとって自然な賢者タイムも、パートナーから見ると「終わったらさっさと背中を向けて寝る人」に映ることがあります。女性は性行為のあとも、しばらく余韻が続くことが多いと言われます。

体が冷めるのは仕方ありません。でも、態度まで冷める必要はありません。

  • 終わったあと、少しだけ手をつないだり、寄り添ったりする
  • 「よかった」「ありがとう」と一言かける
  • すぐにスマホを手に取らない

これだけで、印象はずいぶん変わります。賢者タイムとは、本来、賢者らしく振る舞うための時間なのかもしれません。

ポルノの見過ぎと「グーニング」

最近、海外を中心に「グーニング」という言葉が話題になっています。ポルノなどを見ながら、性的な興奮を長時間続け、わざと絶頂を先送りにする行動のことで、数時間に及ぶこともあるそうです。検索される回数も、ここ数年で大きく増えたと報じられています。

医師やカウンセラーが心配しているのは、次のような点です。

  • 強い刺激に慣れてしまう:画面の刺激に慣れると、実際のパートナーとの場面では興奮しにくい、勃起しにくい、射精しにくいと感じる人がいる
  • やめたくてもやめられない:ストレスや落ち込みからの逃げ場として繰り返し、生活や仕事、夫婦関係に影響が出ることがある
  • あとの落ち込みが強くなる:長時間のあとに、虚しさや罪悪感が大きくなりやすい

ポルノとEDの関係は、研究でもまだはっきりした結論が出ていません。見ること自体が問題なのではなく、量と、生活への影響が問題です。もし「パートナーとのときだけうまくいかない」と感じているなら、しばらく画面から離れてみるのは、試す価値のある方法です。

そして「やめたいのに、やめられない」と感じるなら、それは意志の弱さではなく、専門家の手を借りてよいサインです。

こんなときは相談を

賢者タイムそのものは心配いりません。ただし、次のような場合は、医療機関に相談してください。

  • 落ち込みが長く続く:射精後に限らず、気分の沈みや眠れない状態が2週間以上続くときは、心療内科や精神科へ。性欲の低下が、うつの症状として表れることもある
  • 射精後に体調を崩す:射精のあと、だるさや熱っぽさ、頭痛など風邪のような症状が毎回のように出る場合は、まれな体質の可能性もあるので泌尿器科へ
  • 射精時の痛み、精液に血が混じる:泌尿器科へ
  • 性行為中や射精の瞬間に激しい頭痛が起きた:突然の強い頭痛は、脳の血管の病気が隠れていることもあるため、すぐに受診を
  • ポルノや自慰がやめられず、生活に支障が出ている:精神科や心療内科、依存の相談を受けている医療機関へ

勃起の変化が気になってED治療薬を考える場合、狭心症などで硝酸薬(ニトログリセリンなど)を使っている人は使えません。必ず医師に相談してください。

体の変化が気になったときに

射精後の気分は、体と心の両方の状態を映します。勃起の変化が続く場合は、年齢だけでなく、血管や持病、服用中の薬が関係していることもあります。

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まとめ

賢者タイムは、射精後に体がいったん休むための自然な反応で、年齢とともに長くなるのも普通のことです。冷めるのは体の都合、でも態度まで冷めなくていい。終わったあとの一言が、夫婦の空気を変えます。射精後の落ち込みが日常まで続く、体調を崩す、ポルノがやめられないといった場合は、一人で抱えず、医療機関に相談してください。

本記事は一般的な情報提供を目的としており、診断、治療効果の保証、特定製品の推奨を行うものではありません。持病や服用中の薬がある方、体の変化が続く方は、医師または薬剤師へ相談してください。