裸で寝ると健康にいい? 睡眠・精子・夫婦の距離から考える「裸寝」の損得

裸で寝ると健康にいい? 睡眠・精子・夫婦の距離から考える「裸寝」の損得(イメージ写真)

「裸で寝ると健康にいい」。海外の睡眠の専門家がこう話した、というニュースを見かけたことがあるかもしれません。よく眠れる、男性の精子にもいい、夫婦の仲までよくなる。いいことずくめです。

とはいえ、日本の中高年男性にとって、裸で寝るのは少しハードルが高い。冬は寒いし、夜中にトイレに起きるし、大きな地震が来たらどうするのか。考え出すと、パジャマのボタンを外す手が止まります。

この記事では、「裸寝」の良いところと困るところを、睡眠、精子、夫婦の距離の3つの面から、冷静に、少し笑いながら比べてみます。

先に結論

  • 眠りにとって大事なのは「裸かどうか」より、体の熱がうまく逃げて、暑すぎず寒すぎないこと
  • 男性にとっては、股間を締めつけず、蒸らさないことが精子の環境によいと考えられている
  • 裸にこだわらず、ゆったりした寝間着と寝室の温度調節で、良いところだけを取り入れれば十分

なぜ「裸で寝るとよく眠れる」と言われるのか

人の体は、夜になると体の内側の温度(深部体温)が少しずつ下がり、それに合わせて眠くなる仕組みになっています。眠りにつくとき、手足から熱を逃がして体の芯を冷ますことが、スムーズな寝つきにつながります。

厚着をしすぎたり、布団の中が蒸れたりすると、この熱がうまく逃げず、寝苦しくなって眠りが浅くなることがあります。裸で寝ると熱が逃げやすくなるので、とくに暑い季節には寝苦しさが減る、というのが専門家の言い分です。

ただし、逆に冷えすぎると、今度は寒さで目が覚めてしまいます。日本の冬の寝室で裸になるのは、睡眠の改善というより、我慢大会に近いでしょう。ポイントは「裸」ではなく「ちょうどいい温度」です。

男性にとってのメリット:精巣は涼しいのが好き

精巣(睾丸)が体の外にぶら下がっているのは、精子が熱に弱く、体温より少し低い温度のほうがつくられやすいからだと考えられています。

ぴったりした下着や、股間が蒸れる状態が長く続くと、精巣の温度が上がり、精子の環境にとって好ましくない、という指摘があります。このため、妊活中の男性には、締めつけの少ない下着や、長風呂・サウナのほどほどを勧められることがあります。

寝ている時間は一日の3分の1近く。その間、股間を締めつけないのは理にかなっています。ただ、そのために全部脱ぐ必要はなく、ゆったりしたトランクスやパジャマでも、同じような効果は期待できます。

女性にとっても、蒸れは大敵

女性に多いカンジダ(カビの一種による炎症)は、温かく湿った環境で起こりやすいとされています。締めつけない、蒸らさない、という考え方は、男女に共通する陰部のケアの基本です。かゆみやおりものの変化が続く場合は、婦人科で相談してください。

夫婦の距離は縮まるか

裸で寝ると、自然と肌がふれあう機会が増えます。肌のふれあいは、「愛情ホルモン」と呼ばれるオキシトシンの分泌にかかわると考えられており、安心感や親しみにつながる、というのが「裸寝で夫婦円満」説の根拠です。

ただし、これは二人とも乗り気な場合の話です。片方だけが急に裸で寝始めたら、親しみより先に「どうしたの?」という戸惑いが来るでしょう。夫婦の寝方は、相手の気持ちと寝室の事情を聞いてから。手をつなぐ、少し寄り添う、それだけでも十分なふれあいです。

日本の中高年ならではのデメリット

海外の話をそのまま取り入れるには、日本の暮らしならではの事情もあります。

  • 冬の冷え:寝冷えでお腹を下したり、夜中のトイレが増えたりすることも
  • 夜中のトイレ:年齢とともに夜間の排尿で起きる回数は増えがち。そのたびに廊下で家族と鉢合わせる危険がある
  • 地震や火事:夜中にすぐ避難しなければならないとき、裸ではかなり困る
  • 寝具の汚れ:寝汗が直接シーツにつくので、洗濯の回数が増える

とくに地震の多い日本では、枕元に羽織るものを一枚置いておくのが、裸寝派の最低限のたしなみと言えそうです。

いいとこ取りの眠り方

  • 寝室は暑すぎず寒すぎない温度に。夏はエアコンを上手に使う
  • 寝間着は、ゆったりして、汗を吸う素材を選ぶ
  • 下着は締めつけの少ないものに
  • 寝る前の深酒やスマホは控えめに
  • 夫婦で寝方を話し合う。別々の布団でも、寝る前に少し話すだけで距離は縮まる

こんなときは受診を

寝方を工夫しても眠れない、という場合は、別の原因が隠れていることがあります。

  • 夜中に何度もトイレに起きる、尿の勢いが弱い → 泌尿器科へ
  • 大きないびき、寝ている間に呼吸が止まると言われた、日中の強い眠気 → 睡眠時無呼吸症候群の可能性。内科や睡眠外来へ
  • 眠れない状態が続き、気分の落ち込みもある → 心療内科などへ
  • 陰部のかゆみ、湿疹、できものが続く → 泌尿器科や皮膚科へ

体の変化が気になったときに

眠りの質は、男性ホルモンや朝の元気にもかかわります。勃起の変化が続く場合は、年齢だけでなく、血管や持病、服用中の薬が関係していることもあります。

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まとめ

裸で寝ることのメリットは、体の熱が逃げやすく、股間を締めつけず、肌のふれあいが増えること。でも、その良いところは、寝室の温度調節と、ゆったりした寝間着、締めつけない下着でも十分に取り入れられます。冬の冷えや夜中のトイレ、地震への備えを考えると、無理に脱ぐ必要はありません。眠れない状態や夜間のトイレが続くときは、寝方より体の状態を一度確かめてみてください。

本記事は一般的な情報提供を目的としており、診断、治療効果の保証、特定製品の推奨を行うものではありません。持病や服用中の薬がある方、体の変化が続く方は、医師または薬剤師へ相談してください。