
布団に入ってもなかなか寝つけない。やっと眠ったと思ったら、夜中にトイレで目が覚める。明け方には目がぱっちり開いて、もう眠れない。40代を過ぎてから、眠りが変わったと感じている男性は少なくありません。
寝不足の朝はだるい。そこまではみんな知っています。でも、眠りが男性ホルモンや夜の元気、血圧や血糖にまで関係していることは、あまり意識されていません。
この記事では、睡眠と男性ホルモン(テストステロン)の関係、40代からの眠りの変化、見逃したくない睡眠の病気、そして今日からできる眠り方をまとめます。
先に結論
- 男性ホルモンは眠っている間に高まり、朝に多い。寝不足が続くと、ホルモンにも夜の元気にも影響しうる
- 大きないびきや睡眠中の呼吸停止は、睡眠時無呼吸症候群のサイン。血圧や心臓、男性ホルモンにも関係する病気なので、早めに相談を
- 眠りを整える基本は「起きる時間をそろえる」「寝酒をやめる」「日中に体を動かす」。眠れない状態が長く続くなら、ひとりで抱え込まない
男性ホルモンは「眠っている間」に作られる
男性ホルモンの量は一日の中で変わり、一般に朝に多く、夕方から夜にかけて少なくなります。この朝の高まりは、夜の眠りの中で準備されていると考えられています。
そのため、睡眠時間が短い日が続いたり、眠りが細切れになったりすると、男性ホルモンが下がる方向に働くことが、いくつかの研究で報告されています。男性ホルモンは性欲や勃起のスイッチ、筋肉、やる気にかかわっているので、「最近なんとなく元気がない」の背景に、実は眠りの問題が隠れていることがあります。
さらに、眠っている間には勃起も起きています。夢を見やすい浅い眠り(レム睡眠)のときに自然に起きる勃起で、明け方の「朝立ち」はその名残です。眠りが浅く短くなれば、この自然な勃起の機会も減ってしまいます。眠りと夢の話は、エッチな夢と睡眠の記事でも少し紹介しています。
寝不足は、体のあちこちに響く
- 食欲:食欲を抑えるホルモンと高めるホルモンのバランスが崩れ、甘いものや脂っこいものが欲しくなる
- 体重と血糖:食べすぎと代謝の乱れで、太りやすく、血糖も乱れやすくなる
- 血圧と心臓:睡眠不足が続くと血圧が上がりやすくなる
- 気分:イライラしやすい、落ち込みやすい、集中できない
どれも、男性ホルモンや勃起にかかわる血管にとってうれしくない変化です。眠りは、男の元気の「土台」と言っていいかもしれません。
40代からの眠りは、なぜ変わるのか
年齢とともに、深い眠りは少しずつ減り、眠りは浅くなります。夜中に目が覚める回数が増え、朝早く目が覚めるのも、ある程度は自然な変化です。
そこに、仕事や家庭のストレス、夜遅くまでのスマホ、晩酌、夜中のトイレが重なります。夜中に何度もトイレに起きる場合は、前立腺や膀胱の変化が関係していることもあります(頻尿・残尿感の記事で詳しくまとめています)。
大事なのは、夜中に一度目が覚めること自体は異常ではない、ということです。また眠りに戻れるなら、あまり心配しすぎなくて大丈夫です。「起きてしまった」と焦るほど、目は冴えていきます。
見逃したくない「睡眠時無呼吸症候群」
眠っている間に、のどの空気の通り道がふさがり、呼吸が止まったり浅くなったりをくり返す病気です。中年の男性、太り気味の人、お酒をよく飲む人に多いと言われています。
- 大きないびきを指摘される
- 寝ている間に息が止まっていると言われた
- 十分寝たはずなのに、日中ひどく眠い
- 朝起きたときに頭が痛い、口が渇いている
- 夜中に何度もトイレに起きる
睡眠時無呼吸症候群は、眠りの質を落とすだけでなく、高血圧や心臓・脳の血管の病気との関係が指摘されています。男性ホルモンの低下やEDとの関係を指摘する報告もあります。運転中の居眠りなど、事故の原因になることもあります。
当てはまるものがあれば、睡眠外来、呼吸器内科、耳鼻咽喉科、またはかかりつけ医に相談してください。自宅でできる検査もあり、診断されれば、眠るときに空気を送る装置やマウスピースなどの治療法があります。体重を減らすこと、寝酒をやめることも大切です。
寝すぎと、長い昼寝にも注意
「じゃあ、たくさん寝ればいいのか」というと、そうでもありません。長く寝すぎる生活が続いている人は、睡眠の病気や体調の変化が隠れていることもあります。
昼寝は、午後の早い時間に短め(30分以内が目安)なら、頭がすっきりしてよい習慣です。ただ、夕方近くの長い昼寝は、夜の眠りを浅くしてしまいます。日中にどうしても強い眠気があるなら、それ自体が相談のサインです。
今日からできる、眠りの整え方
1. 起きる時間をそろえる
眠りのリズムを整えるいちばんの近道は、寝る時間より「起きる時間」をそろえることです。休日の寝だめで平日の寝不足を取り返そうとすると、かえって体内時計がずれてしまいます。休日も、いつもの起床時間から大きくずらさないようにしましょう。
2. 朝の光を浴びる
起きたらカーテンを開けて、朝の光を浴びる。体内時計がリセットされ、夜に自然な眠気が来やすくなります。朝の散歩なら、運動も一緒に済んで一石二鳥です。
3. 寝酒をやめる
お酒を飲むと寝つきはよくなったように感じますが、夜の後半の眠りが浅くなり、夜中に目が覚めやすくなります。いびきや無呼吸も悪化させます。眠るためのお酒は、残念ながら逆効果です。
4. カフェインは昼過ぎまで
コーヒー、緑茶、エナジードリンクのカフェインは、思った以上に長く体に残ります。夕方以降は控えめにしましょう。
5. 寝る前の過ごし方
- ぬるめのお風呂は、寝る1〜2時間前に
- 寝る直前の食事は避ける
- スマホやパソコンは、寝る少し前には閉じる
- 寝室は暗く、静かに、暑すぎず寒すぎず
6. 日中に体を動かす
運動の習慣がある人は、眠りの悩みが少ない傾向があることが、海外の長期の研究でも報告されています。激しい運動は必要ありません。早歩きや軽い筋トレを、週に2回でもいいので長く続けることが大切です。ただし、寝る直前の激しい運動は目が冴えるので避けましょう。
7. 眠れないときは、いったん布団を出る
布団の中で「眠らなきゃ」と粘るほど、布団が「眠れない場所」になっていきます。しばらく眠れないときは、いったん起きて、暗めの明かりで静かに過ごし、眠くなってから戻りましょう。
「眠りに効く食べ物」と、サプリの注意
バナナ、牛乳、魚、ナッツなどが「眠りによい」と紹介されることがあります。バランスのよい食事は眠りの土台になりますが、何かひとつを食べればぐっすり眠れる、という食べ物はありません。寝る前のホットミルクは、どちらかというと「これから寝るぞ」という儀式として楽しむくらいがちょうどいいでしょう。
注意したいのは、サプリや海外の睡眠補助薬です。たとえば睡眠ホルモンとして知られるメラトニンは、日本では医薬品の成分として扱われ、食品として売ることは認められていません。個人輸入などで自己判断で使うと、ほかの薬との飲み合わせで思わぬ影響が出ることがあります。処方された睡眠薬とお酒を一緒に飲むのも危険です。眠りの薬を使いたいときは、医師に相談してください。
受診の目安と、何科に行くか
- 寝つけない、夜中に目が覚めて眠れない、早く目が覚めるといった状態が、週に何度もあり、数か月続いている
- 大きないびきや、睡眠中の呼吸停止を指摘された
- 日中に強い眠気があり、仕事や運転に支障が出ている
- 気分の落ち込みや不安が強く、眠れない
- 夜中のトイレで何度も起きる
- 性欲の低下や朝立ちの減少、疲れやすさが続いている
相談先は、睡眠外来、かかりつけの内科、いびきや無呼吸なら呼吸器内科や耳鼻咽喉科です。気分の落ち込みが強いなら心療内科や精神科、夜中のトイレや男性ホルモン、勃起の悩みは泌尿器科へ。強い眠気があるうちは、車の運転を控えてください。
ED治療薬を考える前に
眠りの問題が背景にあるEDでは、まず眠りを整えることが大切です。そのうえでED治療薬を考える場合も、狭心症などで硝酸薬(ニトログリセリンなど)を使っている人は、一緒に使うと血圧が急に下がり、命にかかわるおそれがあるため使えません。睡眠時無呼吸症候群の人は、高血圧や心臓の病気を抱えていることもあるので、持病や服用中の薬を必ず医師に伝えてください。詳しくはED治療薬を使う前に確認したいことにまとめています。
体の変化が気になったときに
眠りの変化は、男性ホルモンや勃起の変化とつながっていることがあります。Bodyagainでは、ED治療や治療薬を検討する前に確認したい15項目を、無料のPDFガイドにまとめています。持病や服用中の薬、医療機関に相談する目安を、ご自身で整理するための一般的な情報です。
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まとめ
男性ホルモンは眠っている間に高まり、夜の自然な勃起も眠りの中で起きています。寝不足は、ホルモン、体重、血圧、気分にまで響く、男の元気の土台の問題です。起きる時間をそろえ、朝の光を浴び、寝酒をやめ、日中に体を動かす。大きないびきや呼吸停止、長く続く不眠は、ひとりで抱え込まずに相談してください。今夜の眠りが、明日の元気をつくります。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、診断、治療効果の保証、特定製品の推奨を行うものではありません。持病や服用中の薬がある方、体の変化が続く方は、医師または薬剤師へ相談してください。